すずす

巨人ジョーンズのすずすのネタバレレビュー・内容・結末

巨人ジョーンズ(1933年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

タイトルロール『皇帝ジョーンズ』を、この後、社会活動家となるポール・ロブソンが演じ、黒人映画の先駆けとなった一作として貴重な映画です。

戯曲化ユージン・オニールの舞台をデュボーズ・ヘイワードが脚色、ダドリー・マーフィー監督。配給はユナイテッド・アーティスト。

ポーターの仕事を得たジョーンズは、酒場の賭博トラブルで人を殺してしまいます。ムショ送りとなったジョーンズは鎖に繋がれますが逃走、海を泳いで渡り、ハイチに逃げ込みます。しかし、そこでも捕まり奴隷として、白人の貿易商スミザーズ(ダドリーディッグス)に売られます。口八丁のジョーンズは共同経営者にのし上がります。さらに、空砲の拳銃で、自分は不滅だと、信じさせ、皇帝を名乗り、原住民を支配します。しかし、ジョーンズの噓がばれ、原住民の反乱が起き…ジャングルに逃げ込んだジョーンズは幻覚を見、破滅に向かいます。

『ルーツ』のクンタキンテの様に屈強で、更に知恵者ですが、誘惑に弱く身を取り持ち崩していく、という道徳観に溢れる内容が、よく時代を表している様に思えます。アメリカを出てアフリカ(ハイチですが)回帰するのも示唆的です。
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