HidekiIshimoto

鉄男 TETSUOのHidekiIshimotoのレビュー・感想・評価

鉄男 TETSUO(1989年製作の映画)
4.5
日本の誇り塚本晋也の商業デビュー作にしてローマ国際ファンタスティック映画祭グランプリ作。もはや伝説の映画と言っていいと思う。人類機械文明到達点映画のような気もする。これもぐっちゃぐちゃ。けど今でもかなり見入る。前半は『生物都市』× 『ザ・フライ』で、後半は『オテサーネク』×『遊星からの物体X』だぜ。つまり諸星大二郎とクローネンバーグとシュバンクマイエルとカーペンターのエッセンスがこの手作り映画の中に渦巻いてるってことだ。詰め込みすぎだろうが舞台はやっぱり横丁と工場と四畳半。この映画作りの姿勢は、姑息にもヒット前提のフランチャイズ作品にしか手をつけない山崎某の対極。こんな独立独歩な人はまあ日本より海外での方が評価高い。ヴェネツィア映画祭の審査員も2度やってた。神木君も『桐島、部活やめるってよ』でこれ観てた背伸びしない神木君に戻ってほしい。