けんけんさん

エスターのけんけんさんのネタバレレビュー・内容・結末

エスター(2009年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

Huluで観賞。
普段ほとんど自発的に観ることがない洋画ホラー。

結末をほぼ知った状態で観賞したものの…。
孤児のエスターに惹かれ、引き取って幸せな家庭に戻るかと思いきや‥一家が少しずつ確実に不幸への一途を辿っていくストーリー展開は正直ありがちかもしれないけれど、
クライマックスに向かうスピード感が絶妙で
エスターに隠された秘密が暴かれる描写は無駄が無く気持ち良かった。
そもそも「エスターがホルモン異常で子どもの姿のまま成長しない女性」という設定だけに最大のオチを持たせてしまうと無茶苦茶で飛び道具感はあるけど、
随所に見られるサイコパス思想や成熟した女性が同性に抱える嫉妬や黒い感情をネタバレ前から巧妙に散りばめる事によって、エスター登場時から常に漂う不気味さや狡猾さに説得力をもたらしていたと思う。
全て知った上での2週目は違った目線で観賞出来そう。

ママのアルコール依存症だった過去、そのせいで娘のマックスを池で危険な目に遭わせてしまった設定やパパが不倫に走ってからたった2年しか経ってないとかを、掘り下げて描かない所が功を奏して、それぞれの気持ちのすれ違いをシンプルに受け手は読み取れたと思う。ここを深く掘り下げて「こんなことありましたー!」と時間軸を巻き戻されるとくどくなるし、エスターが居ることでジリジリと迫ってくる不幸や家族の不協和音が霞んでたはず‥。

中弛みせず観られた良い作品でした。

個人的には最後のエンドロールのブラックライトを使った演出も美しく、遊び心を感じてとても好き。

余談だけど、ママが乗ってる車がレクサスだったりマックスの部屋にキティちゃんグッズがあったのも、監督の遊び心なのか??笑
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