tama

ローマ法王の休日のtamaのレビュー・感想・評価

ローマ法王の休日(2011年製作の映画)
4.5
不当な低評価の数々(笑)
この映画はクリスチャンかキリスト教のことを少し勉強して背景を知っている人でないと楽しめないと思う。だからレビューのほとんどが的外れというか困惑で占められている。この映画はコメディでも無駄な皮肉でも悲しいものでもない。
 
法王に選ばれたことでプレッシャーに押し潰されて逃げ出し、そこから自分と向き合うことになり、市井の人々の中で過ごし、少しずつ変わって行く。
 
そして自分なりに悟る。
「主よ お許し下さい。どうかこの私の行為を。許されますでしょうか。それでも私は神と皆さんに心からお話しします」
「何日も皆さんのことを考え続け、残念ながら気づきました。与えられたお役目を果たせないと」
「私は導くのではなく導かれるべき人間の一人だと感じます」
「今言えるのはこれだけです。わたしのために祈って下さい」
「皆さんの指導者は私ではない。私であってはならないのです」
 
この発言に対して何だか曲も周囲の人々も悲壮な感じで最後は描かれていたけども、僕はむしろ、この法王の姿勢が本当のキリスト者のものだと思う。
自分の罪深さや弱さ小ささを認め神様の前にへりくだっているのだから。
その意味で、本当にキリスト者として資質のある者は法王になんかならないし人の上に立って偉そうにしたりしないんじゃないか?…という疑問を投げかけたかったのかなと。
指導者はあくまで天の父なる神様であり、子なるイエス・キリスト。キリスト教の頂点であるローマ法王といえども人間なんだという一歩引いた立場の映画だと感じた。
tama

tama