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海辺のポーリーヌのプレコップのレビュー・感想・評価

海辺のポーリーヌ(1983年製作の映画)
3.4
この映画を観て恋愛リアリティショーが苦手な理由がわかった。本音と建前の応酬が突き抜けると、考えを放棄してもう勝手にやってくれ、、と思うからだった。この映画も本音と建前が入り混じる複雑な恋愛模様が露呈しているが、それを心底どうでもいいと思って観てた。

フランス人はずっと恋愛のことというよりセックスのことしか考えていないのかと感じる。それで、大人になって不都合なことがあったら自己保身に走るだけ。今作でも哲学的で高尚っぽいセリフのやり取りがさかんに起こってるけど、結局はめちゃくちゃ自己中心的なだけで、全然深くないのが面白い。特に、ラストでアンリがポーリーヌに語りかけるところの演出は完全にそれをバカにしていて最高。

エリック・ロメールの演出力によって映画としてのクオリティは高い。しかし、テーマが終始そそられなかったのと、どうでもいいと思って観てると誰にも感情移入できなかったのでこのくらい。画面は美しいが、色彩が薄くて少し地味目。
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