みんと

勝負(かた)をつけろのみんとのレビュー・感想・評価

勝負(かた)をつけろ(1961年製作の映画)
3.7
名匠ジャック・ベッケルの息子、ジャン・ベッケル監督の長編デビュー作。

殺人の冤罪で投獄された親友を救うためマルセイユにやって来たロベルト・ラ・ロッカは、親友を罠に嵌めたボスを殺して縄張りを奪う。しかし、ロッカもまたアメリカ人ギャングと揉めた挙句、相手を射殺。
同じ刑務所で親友との再会を果たすのだった……。

単純に親友の冤罪を晴らす展開かと思いきや次から次へと予測不能な展開に戸惑う。脈略が無さそうに見えて、犯罪者の流転の意味では生々しくもあるんだけど。
とりわけ刑期を短くするための地雷の撤去作業のシークエンスの緊張感が半端ない!
あからさまに描かれないと分かってても心臓バクバクだった。


ともあれベルモンドが若くてカッコイイ!
いわゆる抜け感は感じない。かと言って勿論とピリッと凄みがあるわけでもない。
あくまでもスマートにサラッとクールなガンマンぶりが魅力的。
更にはガチガチのフィルム・ノワールと言うより青春映画の爽やかさすら漂う。

後半の物語を引っ張る親友の妹役クリスティーネ・カウフマン(当時16歳)の清純さと美しさに目を奪われる。
情婦や部下、賭博師と脇役たちもみんな個性的で生き生きと描かれている。

そしてラストは、なんともな焦燥感…
最悪の結末。あってはならない結末。
けれどフィルム・ノワールならではのこの後味がやっぱり好み。


同じくベルモンド主演のジョゼ・ジョバンニ監督版も見比べてみたい。
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