鍋山和弥

容疑者Xの献身の鍋山和弥のネタバレレビュー・内容・結末

容疑者Xの献身(2008年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

この作品の魅力は、謎解きよりも、『愛』。それに尽きると思う。『イシガミ』の、『ヤスコ』、『ミサト』への愛。それが、このアリバイ工作を生んだ。やはり、愛は、人を盲目にする。この作品は、それが、全てな気がする。この事件、謎解きをして、誰かが、救われたのか?答えは、救われたとは、言い難い気がする。でも、最後に、『ヤスコ』が、『私も、罪を償います』と、泣き叫んだことで、少なくとも、『イシガミ』には、『ヤスコ』の、『イシガミ』への感謝の心が、伝わったし、『イシガミ』の、『ヤスコ』への愛も、伝わった。それで、良かったとは、言えないかもしれない。なぜなら、『イシガミ』の、殺人を、犯してでも、『ヤスコ』、『ミサト』親子を、守りたいという狙いが、無駄になるからである。だが、『イシガミ』の、『ヤスコ』、『ミサト』親子への、思いが、伝わった方が、『イシガミ』には、良かったはずだ。救いとは違うが、そこは、良かったと言った方が、良い気がする。『ユカワ』は、『ヤスコ』に、真実を、話した。それは、『ヤスコ』に、自分の身の振り方を、任せたかったからだろう。『ユカワ』は、やはり、『イシガミ』が、不憫に思った結果だと思う。その不憫さは、『ヤスコ』の行動で、薄れたはずだ。アリバイ工作は、無駄に終わったが、・・・・。愛は、人を、善にも悪にもする。その一例だろう・・・・。
鍋山和弥

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