もこもも

男はつらいよ 寅次郎相合い傘のもこもものレビュー・感想・評価

4.4
旅を共にすることになったパパさんや離婚したリリーとの再会を描いた男はつらいよシリーズ第十五作

めちゃめちゃ好きやった
ほっこりや感動がいっぱいで、
他のマドンナとは違って寅さんが
自然に遠慮せずに接することができる
"頭の良い気性の強い女"のリリーとの
再会やその後の展開に心揺さぶられ、
我々に近いパパさんの視点があることで
自分も寅さんと一緒に旅が出来たようで
寅さんの自由な生き方の素敵さをより感じた

去年お亡くなりになられた
エリザベス女王の来日に時代感じる
日に日に大きくなる満男にほっこり
何気ないけど、昔はタコって言われたら
キレてたのに今は普通に受け入れてるし、
自己紹介の時に自分からタコって言うのに
時が過ぎれば変化があるよねって感じれた
リリーの再登場がとっても嬉しい
そっか、離婚しちゃったのね...

「いいですねぇ、鳥は自由で」

突然家を抜け出して寅さんの旅に同行する
パパさんは不思議な人やけど人は良さそう
寅さんとリリーが再会するシーン大好きで、
心から嬉しがる2人にめっちゃほっこり
寅さんの他の女性とは違うリリーとの
対等で自然な関係がやっぱり心地よい
列車の常識あるないで言い合うシーンとか
万年筆で3人で商売するシーンとかも大好き
お金はないねんけど自由に生きる3人が
楽しそうでとってもキラキラして映る

ちょっとしたことをきっかけに寅さんと
リリーが喧嘩別れしたのは悲しいけど、
とらやに帰ってきてリリーに言った事を
猛省する寅さんに心温まったし、
リリーが現れて仲直りするのもほっこりした
宴会の『悲しい酒』は沁みたなぁ
リリーさんの歌声はほんまに美しい

「ベルが鳴る、場内がスーッと暗くなる」

リリーに腕組まれて戸惑う寅さんと
周りの人たちの反応が面白かった
特に困り果ててる御仁さまに笑った
近所中で悪い方の噂になって時でも
とらやのみんなは寅さんの味方になって
親身に心配したり悲しむ姿に温かくなる
そのあと帰ってきた寅さんのお金があったら
リリーを大きな劇場で歌わしてあげたいって
その夢を語る姿もじんわり胸に沁みた

「女が幸せになるには男の力を
 借りなきゃいけないと思ってるのかい?」

リリーの強さに惹かれる
さくらの家に泊めてもらう時に言い寄る
男からさくらを守るのもカッコよかったし
メロンで怒る大人気ない寅さんに
一喝入れるシーンはめっちゃすっきりした

「ばかやろう、散歩だよ」

寅さんの不器用な優しさにも惹かれる
雨降ってリリーさんのことが心配で
とらやに帰ってくるところ
なんだかんだいいながら傘を持って
出かける寅さんが優しくて可愛い
相合傘のシーンいいよなぁ...

さくらがリリーに冗談という体で
寅さんと結婚する気はないか?って
聞いてリリーが結婚してもいいって
言った時のさくらの表情が...
とらやのみんなの表情が...
ここのシーンはほんまに感動した
それやのになんでなんやろ
なんでリリーは冗談ってことにしたんやろ...
なんで寅さんは追いかけへんかったんやろ...
お互い好きやのに、大切に想ってるのに
そういう関係になったら今の関係と
変わりそうって思ったからなのか
同じ旅人としての感性なのか
くっついてほしかったなぁ...

「あいつも俺と同じ渡り鳥よ
 腹空かせてさ、羽ケガしてさ、
 しばらくこのうちに休んだまでのことだ
 いずれまた、パッと羽ばたいてあの青い空へ
 なぁ、さくら、そういうことだろ?」

ラストで知り合いの慰安旅行に来てる
函館のキャバレーとの再会シーンをみて、
こうやって日本中渡り歩いて日本中に
自分のことを知ってる人がいるって
とっても素敵なことやなって感じたし、
パパさんじゃないけど寅さんの自由な生き方が
羨ましいなって思ったりする自分がいた
もこもも

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