misty

父親たちの星条旗のmistyのレビュー・感想・評価

父親たちの星条旗(2006年製作の映画)
4.2
激しい戦闘から生き残った勇敢な兵士として一方的に英雄視される、そんな者たちの複雑な「その後」を描いた傑作。戦闘体験は悪夢のような回想として現れる。

「資金が尽きたために国債を国民に買わせなければならない」「そのためには国の英雄である兵士を利用しよう」といった、アメリカ側からみた太平洋戦争の実態みたいなものを暴露していて、描き方がうまいなあと思う。特にインディアンとして戦争に参加したアイラの話が泣ける。実際、英雄なんていない。プロパガンダが英雄を仕立てあげ、そのことによって人々はそもそもが理不尽な戦争というものを何とか理解の範疇におさめようとする。

貴重な作品でした。
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