黒旗

父親たちの星条旗の黒旗のレビュー・感想・評価

父親たちの星条旗(2006年製作の映画)
3.4
戦死したマイクの母親を見て泣き崩れたアイラが印象に残る。英雄扱いされたとしても、激戦区とされた戦場から戻った者の中でドクのように模範的市民として生きられた人は、ほんの一握りなのかも知れない。スピルバーグ監督チームも関った戦闘シーンは容赦のない描写だったが、惨状をあえて映さず想像させる、という手法もとられていた。地獄絵図と化した戦場。逃げ出したいと思うのが当然で、稀に留まる理由があるとすれば、それは祖国や軍のためではなく共に戦った仲間のため、というくだりには納得させられる。帰還後も国からいいように利用され、やがて人々からも忘れらていく。悲しみしかない。
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