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クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセスのmitakosamaのレビュー・感想・評価

3.6
割と道徳心のある内容だなぁ、と感じた今作。

脚本がある意味で良質な絵本みたいだもん。
ひまわりにプリンを食べられたしんのすけが、妹なんか要らないと(この設定が既に絵本ぽい)宇宙人のお姫様になることを許諾してしまう。
地球の姉妹星“ヒマワリ星”に連れ去られひまわりが家族から引き離されてしまう。

“ヒママター”なる宇宙物質を地球とヒマワリ星で共有しているが、あくせく働きストレスを溜める地球人はヒママターを消費するだけ。のんびり暮らし競走しすぎないスローライフをおくり宇宙のバランスをとるヒマワリ星。

宇宙のバランスの為に ひまわりを手放す選択を迫られる野原一家。

スケールの大きな話だが、それ以上に「他者との共生」の在り方に大きく問いかける内容となっている。
ヒマワリ星の王様が、いかにもな悪役顔だが実は理路整然と倫理観を持っているキャラクター。
「何故に妹を手放したのだ?」と怒鳴り叱る王様に、泣きながら答えるしんのすけ。

実はシリーズ歴代でも奥の深さでは1〜2を争う内容だと思う。最も教育に適したクレヨンしんちゃん映画と言えるのではないかしら。
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