B姐さん

コズモポリスのB姐さんのネタバレレビュー・内容・結末

コズモポリス(2012年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

表層的で即物的、「資本主義」の権化のような青年の話。でもアメリカにおける「現代社会」とか「(金融)資本主義」そのもの話と考えると色々と腑に落ちる。

だから主人公は空っぽで生の実感がなく、自分の世界(リムジンの中)だけで自己完結している。外で起きていることはどうでもよく、無関心。破滅する一歩手前でようやく自己相対化する、いや(正確にいうと)相対化するように見える。頭に銃をつきつけられてだが。

ドン・デリーロの原作だからか、今まで「異質なもの」とか「病的なもの」を肯定していたクローネンバーグにしては結構意外。
それよりも、小難しい会話をすっとばして車中の撮影だけ観ていても全く飽きないぐらい余裕たっぷりの演出に「巨匠」感があって、そこが少し癪だったりする。

DVD(3/23/2015)
B姐さん

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