カラン

八日目のカランのレビュー・感想・評価

八日目(1996年製作の映画)
5.0
ダウン症のジョルジュと、その友達でセールスマンのアリーの物語。「あなたは他の子とは違うのよ。」 

見えないものがどんどん見える至福の映画。草むらの切断面とか樹木の皮とか歌うネズミとか天国に向かって羽を広げるてんとう虫とかダニエル・オートゥイユを見上げるジョルジュとか、ぷっくらした手の自分の子供とか、小さいものの輝きを感じて。監督の実娘ちゃんたちまで見えるんだから。(^^)


OPとEDのシンメトリカルな構造は、決して、ダウン症の子と健常者を階層化するものではない。神はジョルジュに満足され、他方で私たちは道行くサラリーマンからテイクアウトのコーヒーカップに金を恵んでもらって、この《生》を有り難く思うべき立場なのである。これを弱者正義論のルサンチマンだと言う人は、ちゃんとしたスクリーンを買ってちゃんとセッティングしてからこの映画を観賞しようね。(^^)


オルボワ、メゾン。オルボワ、オト。

素晴らしい。OPからEDまで、スクリーンの端から端まで、《生》が光ってる。ジェネシスもなぜか素晴らしい。(^^) 落下までついてきた。明らかに幸福なものだけど。この落下は《生》の一部で、大好きなチョコを食べて美しいママに会いに行くことでしょう?

クロースアップの悦びが溢れている。とても力強い。

ときどきスクリーンの端が丸く黒く縁取られるのは、眼孔なのだろうか。
カラン

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