八日目の作品情報・感想・評価

「八日目」に投稿された感想・評価

ヴェンダースはかつて人はみな天使だったとしたし、たとえばジョルジュは天使だとして、彼は六日目ではなく八日目に作られたとして、最後に人間の行為をさせたというのは、あまりにもどういうことだろうか。よろこびなわけがないのか? 少なくとも=解放だとしたらあんまりだ。
そしてあえてなぜ、モンゴルの演出を起用したのか? 逆説? (蒙古症という)言葉や歴史こそが社会であるから?
浜辺にウマが登場するカットがcool
ミスターノーバディは良いと聞くが。
何も解決してないように思う。何となく映像に騙される。
熊

熊の感想・評価

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このレビューはネタバレを含みます

終始、贈与交換的な視点でみていた

仕事に必死で生き方までビジネス(交換の原則)に染められている主人公。
その主人公がジョルジュに会って、交換の原則とは異なるあり方(贈与)で他者と関係を持つようになる話。
社会において人と人とは贈与交換の仕方で関係を結ぶなか、ジョルジュのプレゼント(贈与)は社会のなかでだれにも受け取ってもらえない。だれも彼と関係を結ぼうとしない。
貨幣経済のなかでは等価交換が原則で、私的な結びつきを省くことができるが、ジョルジュや彼の仲間たちはその関係性になじまず、徹底的な破壊と新しい関係の結び方を迫る。その圧倒的な力で主人公がひらかれていく。

気になるのは、ダウン症を「天使」と描く典型的なステレオタイプ的な表現。かれらから人格を奪ってはいけないし、結局社会において彼が生きていける場所が用意されていなかったことは、この映画のなかだけでなく現実における社会の問題だよなあと
染色体異常を持ち生まれ育ったジョルジュ。社会的立場を家庭にまで持ち込んで夫婦関係が崩壊してしまったアリー。この2人の共通点を考えた時に考えられる事の一つとして、『共感の不在』が挙げられる。
LGBTの問題もそうだが、その人の立場にならないとわからないと双方が距離を置くのではなく、パーセンテージは低くても共感するスペースを確保する事が理解につながるのではないだろうか。
一緒くたにバリアフリーを掲げても、多様性を否定し個々の存在価値に点数をつける社会の歪みにジョルジュを通じて自分を解放する事する事が出来たアリーはラスト、ただ一人、歌えない。
ジョルジュは神様が僕達に与えた多様性の象徴だと解釈しました。
Junna

Junnaの感想・評価

3.3
フランスベルギー映画
神は八日目に、、、、
入り込めたような入りこめてないような
人を愛したいのに拒絶されるジョルジュ、人を愛せないアリー社会に馴染むことができない二人、
なんでアリーはこんなにジョルジュを世話しようとするのかあんまり理解はできなかった
そして蒙古症をアジア人として表現してることは人種差別でしかない
でもアリーの笑顔は見てる側をほっこりさせる
この監督がダウン症とか障害者の方をどう描いてるのか気になったから見た
すこしファンタジーちっくで美化されているのかなとは思う
Mr.nobody のときは赤い壺、この映画では青い壺 なんの関連性か、
美しい映像美
ジョルジュが見てる世界がおもしろい。

おんぶに抱っこかと思いきや、グッジョブ❕なジョルジュ。決定的に自分とはちがう人って、何を考えていてどれだけ分別があるのかも想像しづらい。けど人間だものね。おなじ人間だった。

ラストで彼がとった行動は解釈が分かれそうだけど、分別があるからこそあれなんだと思う。それでたぶん序盤のチョコ………って思った。

このレビューはネタバレを含みます

どうしても納得できない。
ジョルジュは絶対に死ぬべきじゃなかった。彼が最後に自殺することで全てが台無しなような気がした。彼を受け入れなかった人たちが全員彼の死後に楽しげに歌を歌っていて、ただ1人歌っていないのがアリーなのが全てを物語っている。個人的にこの物語はあくまでダウン症の人間がどうにか生きていく希望を見出すことを期待していたしそうでなければ報われないと思っていた。なのに死んだ。ただ、死んだ。それではあまりに現実が冷た過ぎるし彼をこんなにも愛らしく描いた意味がわからない。死ぬのは簡単なんだ。彼が死んで母親と一緒になれたからハッピーエンドというのは絶対に違う、彼みたいな人間が生きにくい世の中が彼を殺したようにみえる。ジョルジュがかわいそうとか特別とかそういう感情は持っちゃいけないんだと思う。モンゴロイドの表現があまりに繰り返し過剰にされていたので正直、抵抗はあった。でも本当の意味で平等に人を見れる人間になるにはそれさえも受け入れてもっとバカでかい心を持たないといけないんだと深く自分に言い聞かせた。
Hana

Hanaの感想・評価

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えっっっっぐい。

綺麗なのは映像だけ。
気持ちがこんなにもやもやもやもやするのはなんでなの。
映像や音楽とは裏腹な真っ黒いドロドロな感情がお腹の底に重く沈んで、まるで鬱にでもなったかのようだ。
この作品を一体どう受け止めるのが正解なの。

正直ずっと不快感しかなくて、でも、不快感を覚えるわたし自身の人格が否定され続けるような作品だった。
感覚的に、生理的に、無理だと思うことを、倫理的に、受け入れろと、言われているようで、辛かった。

彼らが排他されることについて、わたしには何の責任もない。
だって他人だもの。他人が傷つこうが幸せになろうが、それが彼らのせいであろうとなかろうと、わたしには何の関係もない!!!と今声を大にして言いたい。
そして自分が傷つくおそれがあるならば、相手を傷つけてでも自分を守るよ。それの何が間違っているの?

みんな違ってみんないい、なんて綺麗事くそくらえだ。
賢く、美しく、正しくあることがベターだって相場は決まってんだ。そうじゃなければ生きづらいのが世の中なんだ。
そうだ、ジョルジュを否定することは、自分自身を否定することなんだ。彼を不快に思うこの感情は、限りなく自己嫌悪に等しい感情なんだ。
だから辛いんだ。

きっと、この作品を、ジョルジュを、好きだと言える人もいるだろう。
そういう人こそ、きっと救いだ。だけどその救いすら(きっとこの作品では純粋無垢な子供たち)、わたしには嘘っぱちに見えたのだから、もうそりゃあ落ち込むしかないよね。

とんでもない鬱映画なので、見る人を制限すべきとすら思ってしまう。要注意でっせ。
nerimzfc

nerimzfcの感想・評価

2.3

6歳の僕が大人になるまで
フォレスト・ガンプ
ノッキンオンヘブンズドア
チョコレートドーナツ
ムーンライズキングダム
ジュラシックパーク(音楽?)

なんか色んな映画がフラッシュバックした。
いい映画なんだけどちょっと内容忘れちゃいそう。

ダウン症の俳優にフィーチャーした映画ってどうしても偏見と戦ったり、めちゃめちゃ純粋!みたいな描き方があって自分はそれが少し苦手な気がする。

まぁるくて白くて柔らかそうなナタリーがとてもかわいかった。
digagig

digagigの感想・評価

4.9
八日目に創造されたジョルジュは『人間』社会に居場所がない。
決して無垢な天使とだけには描かれず、欲望やエゴや逃げも併せ持ち、悲嘆や癇癪や威嚇や嘲弄もする実に人間味豊かな存在だが、染色体の決定的な違い故一目見て異質な彼は多数派の人間がつくったこの社会に馴染めない。
実際彼は厄介者で迷惑な行動をする。
自活の能力は無く誰かを頼らねば生きてはいけぬ。
性機能はあれども家庭は持てぬ。
愛する人と暮らし幸福に生きたいが自分の存在が愛する人に負担をもたらし幸福は破綻する。
絶対的に彼を受け入れ愛してくれた母はもうこの世にいない。
そうした必然の選択として、しかし人間的に自殺に至った存在の悲しさよ。
荒涼とした景色の中でチョコレートを摘む、牧歌的なその死の美しさよ。
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