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マンマ・ミーア!のSugiのレビュー・感想・評価

マンマ・ミーア!(2008年製作の映画)
3.1
「see that girl, watch that scene, digging the dancing queen」
ABBAの名曲がふんだんに盛り込まれた名作ミュージカル。代表作「ダンシング・クイーン」は物語全体を通して一番盛り上がる楽しい曲だった。序盤の「マネーマネーマネー」もここで使われるのかというタイミングで登場し、シーンを盛り上げた。

結婚式を控えた花嫁ソフィが母ドナの過去の日記から見つけた3人の父親候補の男性全員を、ドナに内緒で式に招待し、本当の父親を見つけようとする。しかし全く見当がつかず、さらに3人の訪問にドナは混乱する。果たして誰が本当の父親なのか?結婚式は無事に成功するのか?
というような物語。

ストーリー進行は基本的にミュージカルで行われ、終始登場人物が歌い踊っていた印象で、かなりクラシックなミュージカル作品のイメージだった。
ソフィたち仲良し3人組、ドナたち仲良し3人組、サム・ハリー・ビルの父親候補3人組、といった3人1組が3組出来上がっていたためこの3グループで物語が進んでいくのかと思ったらそうでもなかった。ストーリーの主人公はソフィというよりもむしろ母親のドナで、親友のロージーとターニャと一緒に歌って踊る場面がかなり多かった。

公開当時のイギリスではかなりヒットし、あの「タイタニック」をも超えたとも言われているみたいだが、個人的には微妙な気がする。
まず好みの問題で、ミュージカルが多すぎるミュージカル作品はあまり好きではなく、「ララランド」ぐらい少なくて全然良い。
また、映画のキャラクターで基本的に自分と似ている境遇の人物は滅多に出てこないが、本作の登場人物はなぜかすごく感情移入がしづらく、内輪で盛り上がっている様子を鑑賞者が観させられているような気分になる。キャラクターの人物像は言動を見て十分理解できる範囲なのだが、もう少し深い部分まで知ることは難しかった。

他の人のレビューを見ても高評価もあれば微妙と言っている人もいたので賛否両論分かれている作品のように思える。確かに本作に登場するミュージカルの大部分はポジティブな曲調なため、観た後にハッピーな気分になれると言うのもわからなくないが、もう少しストーリー展開に意外性やハプニングがあっても良かったのかなとも思う。
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