つーちゃん

アマデウス ディレクターズ・カットのつーちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

「鎮魂歌」を共に書きあげるラストが印象的。モーツァルトの死の直前にサリエリに訪れた束の間の蜜月。自身の才能に絶望し、神を憎み、モーツァルトを追い詰め、そうでもしなければ実現しなかった、サリエリの人生で最も幸福であったであろう時間。パトロンにもなれず、友にもなれず、ライバルにもなれなかった男の一生が決まった瞬間。その後は気を病み名誉を失い後悔と自身の凡夫さに苛まれて老いを迎える。努力、献身、信仰といった類の結果が必ずしも報われるわけではない。では、報われなかったとき、サリエリ(それは我々)はどう生きるのだろうか?

撮影がソ連政権下のチェコスロバキア。役者がみな相当のこだわりとストレスの中で演じてきたことがメイキングから感じられる。
つーちゃん

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