オーウェン

ツォツィのオーウェンのレビュー・感想・評価

ツォツィ(2005年製作の映画)
4.1
窃盗に殺しは当たり前なツォツィとその仲間。
そんなツォツィが盗んだ車。ところがそこには赤ちゃんが置き去りに。

ここで単純にいい人になるという展開ではない。
感情が芽生え自分で育てようとする。

しかし紙おむつを替えようとして、新聞紙でお尻を拭いて、そこに新聞紙を巻く。
この一連の動作でなぜオムツをつけないのかを疑問に思うが、そのあとを見れば一目瞭然。

オムツを盗むを考えるではなく、その存在を知らないということだ。
後に哺乳瓶やミルクの存在を知らないことでも分かる。
母乳もただ赤ちゃんを育てているからということだけで、ツォツィは分からなかったはずだ。

これだけ観てもツォツィのこれまでの人生と、南アフリカの現状が窺い知れる。
アパルトヘイト後もこの国の貧困は止まることを知らない。

しかしツォツィは子供を育てることで何かが変わった。
わずかな希望が見えたのが、心に残る。
オーウェン

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