ぶみ

ミスティック・リバーのぶみのレビュー・感想・評価

ミスティック・リバー(2003年製作の映画)
4.0
デニス・ルヘインが上梓した同名小説を、クリント・イーストウッド監督、共同製作、音楽、ショーン・ペン、ティム・ロビンス、ケビン・ベーコン等の共演で映像化したサスペンス。
少年時代に幼なじみであった三人が、殺人事件をきっかけに再開し、その事件の真相に迫る三人の運命を描く。
収監されていた過去を持ち、娘を殺害された雑貨店店主をペン、少年時代のトラウマを持つ男をロビンス、事件を捜査する刑事をベーコンが演じ、アカデミー賞ではペンが主演男優賞、ロビンスが助演男優賞を受賞したが、ベーコンの役回りも見逃せず、三人セットでの受賞だったとしてもおかしくないもの。
物語は、三人の運命をボストンを悠々と流れる河になぞらえ、イーストウッド監督らしい派手さを抑えた映像で進んでいく。
殺人事件が中心であるため、犯人探しのミステリ要素も当然盛り込まれているが、主題はそこではなく、少年時代のある出来事から、それぞれの人生が交錯していく姿を重厚なヒューマンドラマとして描いている。
戻ることができない「たられば」が起きて人生の歯車が狂い出した時、抗えない時の流れにどう立ち向かうかを問われる良作。

この河に罪を沈め、洗い流す。
ぶみ

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