あしからず

渚にてのあしからずのレビュー・感想・評価

渚にて(1959年製作の映画)
3.4
理想的かつ絶望的な無彩色の終末。人類滅亡作は数あれどこの雰囲気は珍しい。核戦争後に北半球から南半球へ放射能がじわりと漂ってくる恐怖は真綿で首を絞められるよう。微かな希望をもぎ取る死の匂いの静けさは50年代かつメルボルン舞台だからこそ。事故多発レースや人気のない往来などは視覚的にくる。
ただグレゴリー・ペック、アステア、アンソニー・パーキンス、エヴァ・ガードナーと気合い充分なのに、原作の密やかな狂気や無情感、ウィットに富んだ会話や愛を超えた愛など全部削ぎ落として安易なロマンスに加工したこと許すまじ…
リメイクの方はどうなのかな〜
あしからず

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