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マリー・アントワネットのpompeiiのレビュー・感想・評価

マリー・アントワネット(2006年製作の映画)
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マリー・アントワネットの、贅の限りを尽くしフランス革命を招いた悪者という歴史的なイメージが覆った。鑑賞後に調べてみると、幼少期に目立ったエピソードはなく、勉強嫌いで音楽が苦手。成人後も絶対王政が正しいものだと思って暮らしていた普通の人だと言われている。映画内でも、彼女がルソー的な自然で素朴な生活を好んでいる様子が描かれている。

そして皮肉にも、そのルソーが下地を準備したフランス革命が彼女を死に追いやったという事実が同情を誘う。彼女が断頭台に立ったのは生きた時代が悪かったとしかいいようがない。 彼女が幽閉されていた場所から断頭台があったコンコルド広場まで歩いた時に感じた、あの暗澹とした記憶が甦った。

映画的な側面からみると、あまり評価されていないにもかかわらず、個人的には結構好きな部類の作品だった(時代劇が好きというのも多分にあるが)。
フランス王制を音楽や描写を現代アメリカ風に表現するのは興味深かったし、舞台装飾、衣装も見ていて目が幸せ。ヴェルサイユからパリに駆り出されるときに見える夕陽もこよなく美しかった。

(参照: https://www.jukushin.com/archives/27119)



メモ

・ルイ16世との濡れ場は省略されるのに、浮気相手とのそれはしっかり描かれる皮肉。

・子との死別を絵画の差し替えで示すのは粋。
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