ノアイユ夫人に飛びついての国境線でのあどけないハグ。
「フランスの犬をお飼いになれます」とモップスを取り上げられた時の泣きベソ。
複数人の手を借りてのお着替えに
裸のまま呟く「バカみたい」‥‥。
たったの14歳。
中学生の年齢で国を背負っての政略結婚。
ほぼ四面楚歌の中で権力と浪費の自由だけ与えられれば、彼女の短く儚い人生は必然だったのだろう。
(ケーキを食べればいい)
「そんなこと言わないわ」だったとしても。
マリーが何度となく馬車(グレードは都度変わるのだが)から眺めるフランスの風景が美しくて切ない。
よせばいいのに本棚をひっくり返し、
ベルばらを何十年ぶりかで読み返したので
混乱した部分とより理解できた部分と。