あさ

マリー・アントワネットのあさのネタバレレビュー・内容・結末

マリー・アントワネット(2006年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

「オーストリアの女」が最後までルイのそばを離れなかったお話。

マリーの視点ショットが沢山使われているのに私は感情移入できなかった。何でだろうと思ったけど、私は見つめる庶民側に立っているような心地がした。
最後の最後まで怒る民衆の姿を映さず、声や肖像画に書かれる落書きで民が描かれていた。百聞は一見にしかずじゃないけど、マリーが従者の警告を聞いても危機感を持てなかったのは貴族たちが屋敷と民の間に確固たる隔たりを作っていたからなのかな。まさに届かない声。一切民衆の姿を見ないっていうのもなかなか。
ナポレオンが革命のシンボルとして出されるのも、セリフもないのにこれ以上ないストーリーの抑揚になる。こういう貴族の歴史を描くならクラシックが定番だけどロックを引用してるのも面白い。

10代の少女だったマリーアントワネットも少女だった。ロックミュージックは彼女の青春をすごく際立たせてる。首飾りを買うシーンとかあるのかなと思ったけどなかった。決定的な負債を作るシーンもなく、知らず知らず、自分にとってふつうの生活を送る中で沢山の負債を作ってしまった感覚が伝わる。
最後処刑になるシーンやその後どうなったのかはラストシーンで描かれるのみ。
ソフィアコッポラ好きかもしれない。
あさ

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