きみどり

ユキとニナのきみどりのレビュー・感想・評価

ユキとニナ(2009年製作の映画)
4.5
『2/デュオ』再び…と思ったけど、メンタルヘルスによろしくないのでこちらにしたが、やはり諏訪敦彦であった。
子どもの目から見た両親の離婚。淡々と、ハードモード!

しかし諏訪監督がこんなに子どもを上手に撮れるとは! 是枝監督の演出よりも好きだ。
ユキとニナの話すフランス語の愛らしいことよ(そして内容のシビアなことよ…)。
猫の鳴き声で喧嘩するとこ、あれだけで五億点つけたい。

ユキとニナの二人だけの場面だと時間の流れ方が変わるような印象があって、よく考えたらそれはまさしく子どもの頃の時間感覚なんだと思う。
一日が長くて終わらないあの感じ。年を取るにつれ早回しになって、もう二度と元には戻らないあの感じを追体験できた気がする。

両親が別れる理由を問う少女二人に、ユキの父母とニナの母、三人の大人がそれぞれに説明するのだけど、なかでも「愛はいつか必ず終わるのよ」とニナのママが話すシーンが圧巻。
なお、ユキの父親の弁解は本音だろうがそれゆえクズ過ぎ。その言いようはないでしょうよ…。

いろいろ「?」なシーンはあるけど欠点の数々を差し置いても素晴らしい映画だった。
きみどり

きみどり