たひち

御法度のたひちのネタバレレビュー・内容・結末

御法度(1999年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

安い言い方をすると「サークルクラッシャー」が混入し、コミュニティ内で実害が出たり(今作品の場合は人が死ぬ)、また周囲にも間接的にトラウマチックな体験をさせるという、サイコホラー要素の強い男色時代劇。
近い友人関係で自己愛性人格障害だろうと思われる無敵のサークルクラッシャーによる執着攻撃を観測したことのある身としては、惣三郎の持つ得体の知れない中身の無さを強く不気味に感じて非常に後味が悪かった。
この不穏さと耽美な雰囲気を演出する劇中のサウンドトラックや、殺陣の見応えなどもあり、非常に良い作品だとは思うのですが、2回目を鑑賞する気にはならないかな……。
ただ、惣三郎が前髪を切らない理由として願を掛けていると言っていたが、それについての回収がされなかったのが心残りだけど、恐らくそれは視聴者の想像に委ねられているのだろう、と捉えました。
自己愛によるものであるなら、そういう発言すらも都合の良い嘘だったりするし……田代を切るときの許して発言もそのように捉えられるし……あぁ、怖いよう……近づきたくないよぅ……
ちなみに、劇中のあるシーンがチェコのゴアグラインドバンドである jig-ai の samurai gay party という曲でサンプリングされていることから、興味本位で観ました。
たひち

たひち