実在した人物ジョン・デリンジャー。
彼は時の長官フーバーによって「社会の敵NO1」。すなわちパブリックエネミーと呼ばれた。
それなのに大衆に熱烈に指示されたデリンジャーとはどんな人物だったのか。
とはいえ映画はその謎ではなく、後年すでにカリスマとなっていた人物としてデリンジャーは登場する。
演じるのがジョニー・デップというのは驚きだ。
時代物だがほとんど現代劇のこの役柄にデップは当てはまるのかだ。
ファッションや時代考証から入り、その生き方には憧れを持つ。
明日のことよりも今日。など分かりやすい程に。この分かりやすさが違和感につながる。
すべてが良いではなく、銃撃戦や刑事たちの追跡劇などは楽しめる。
ビリーとの恋愛も最後の最後で効いてくる。
ただ追う側のメルヴィンも描写が浅く、ビリーもそう。
まあデリンジャーが主役なのでそれは仕方ないのだが。
カリスマと呼ばれた割に庶民的な部分が目に付くデリンジャー。
彼が見る「男の世界」のクラーク・ゲイブルとダブってくるのは偶然ではないだろう。
ここの部分は実話で、その後のデリンジャーの伝言は無いといわれている。
映画ではここの部分に味付けしたからこそ、ビリーが必要になったはずだ。
いずれにせよ愛に生きた男は、その行動によって大衆の味方になったのだろう。