モモモ

ハルクのモモモのレビュー・感想・評価

ハルク(2003年製作の映画)
3.8
「映像派監督」としてのアン・リーが超絶技巧編集テクニックを披露し続ける「ハルク」映画版1作目。
そりゃ「ライフオブパイ」に「ジェミニマン」なんかを後に作る監督ですからね。
普通の映像表現で収まる筈がない。
幾層ものレイヤーを意識させてくれる映像表現で挑む「コミック」という表現の映像化。
平面的で「コマ」を錯覚する編集テクニック。
とにかく凄まじい編集テクニックだとは思うが、物語の面白さに直結していないのが難点だろうか。
ラストバトルの「雲を突き抜けて戦う親子」の映像表現は神話的で、コミック的な、最高の瞬間であったのだが。
逆にロケランを跳ね返されて不様に爆散する彼には「そんなギャグアニメみたいな表現を!?」と肩の力が抜けてしまった。
MCU、ダークナイト以前のコミック原作映画の本作だが「ヒーロー映画1作目」の文脈に沿って作られているのはアン・リーの先見性から来るものか、クリエイター陣の愛から来る物か。
「父からの呪縛」を描く点は紛れもない「アン・リー」作品だし、トラウマを主軸に怪物を解釈する様はMCUよりもハルク的と言える。
誤魔化しが効きづらい「昼」を度々舞台とする点今観ても余り古臭いとは思えないVFXが凄いですね…。
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