禁忌に手を染めたマッドサイエンティスト。その息子は、秘めたる〝何か〟をその身に宿して生を受ける。里親の元で善良な科学者へと成長した青年Bruce(Eric Bana)は、実験中に大量のガンマ線を浴びてしまった事で、負の感情を引き金に超人ハルクへと変身する身体になってしまう。
◆アメコミ失敗談!
2000年代初頭の悪いところが詰まってると感じてしまいました。よくわからないけど何だかそれっぽい(ちょっと気持ち悪い)実験を早回しで流す冒頭のシークエンスからもう鳥肌。独特の画面分割も、結婚式の手作りムービーみたいな画面の切り替わり方も苦手なんだよなぁ。
アクションシーンは今ひとつだし、ラスボスとの戦いは盛り上げなきゃいけない所だろうに尺が短くて見応えが無いうえに経緯が不明瞭で理解が追いつかない。
・この能力って何なの?
・この人何言ってるの?
・そもそも何の喧嘩なの?
ある程度までは流れでお察し下さい。細かいところはスルーしてね。という印象でした。脚本まで力技ときたか!何処が良かったかなーと探してみたけど、嫌味なパイセンTalbot(Josh Lucas)がコミカルに退場したシーンくらいですかね?
◆ジキル博士とハイド氏のキングコング風
原作のコミックスがどうなっているのかわかりませんが〝キングコングとジキルとハイドを混ぜたみたいだなぁ〟というのが率直な感想です。
☑︎ 美女に恋する筋骨隆々のプロテイン・モンスターが大都会(NYじゃなくてSFですが)を舞台に大暴れ。
☑︎ 善良な科学者の心に棲みついたモンスター(二つの相反する人格が一つの身体を共有)が、具現化して大暴れ。
正直、目新しさは無いかなぁ。なんなら緑の怪物ハルクよりも、〝巨大化しても破けない〟〝縮小した時に伸びてない〟何とも都合の良いおパンツ様の素材の方が気になった次第です。
スパイダーマン(Sam Raimi版)やバットマン(C.Nolan版)が作り上げてくれた、ダークでクールなアメコミ作品の良いイメージまで緑の化物がぶっ壊してくれました。