ポンコツ娘萌え萌え同盟

謎の下宿人のポンコツ娘萌え萌え同盟のネタバレレビュー・内容・結末

謎の下宿人(1944年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

何と言ってもレアード・クリーガーの怪演!見た目は一見紳士みたいだが行動の怪しさ以上に、目の動きから、表情やテンションどこか怪しさと危険さを内包させるのを雰囲気のあるキャラクターを演じているのが、最高。
キティ演じるマール・オベロンの美しさもいいんですけどね。序盤のキティが主演の舞台で彼女の姿に十分魅了されたし。でもやっぱりレアード・クリーガーの雰囲気が段違いで強烈。
そんな怪しい大男と美女が出てくる本作はホワイチャペルを騒がせた猟奇殺人、”切り裂きジャック”を基にしたサスペンス。

本編開始時点で既にその連続殺人事件が存在し、夜霧で怪しいムードたっぷりなホワイトチャペルをカメラで捉えていく映像の面白さ。だってこんな夜の市街に何時でも殺人事件が起きてもおかしくなくない?と思ったし。
ミステリとしては、そもそも鑑賞者が犯人の正体を容易に想起させるの前提とした作りなので、むしろミステリ的な面白さよりも、映像の光と影、倒錯した美学の思想を持つような台詞を放つL・クリーガーにキティが”いつ襲われるか”という観点で見る方が楽しめると思う。
そしてついに追い詰めらて、クワッと目が開い狂気と表情のクローズアップ。L・クリーガーのためにある作品と言っても過言ではない。