文豪ドストエフスキーの原作をアンジェイ・ワイダ監督が映画化したディスカッションドラマです。
なかなか製作環境が複雑なので、メモ的に残しておきます。
もともとアンジェイ・ワイダ監督がポーランドで映画を撮れない状況が続き、フランスで映画を撮っていた時期があります。
その時にアルベール・カミュが戯曲化したドストエフスキー『悪霊』の舞台の演出をして、本作はその映画化です。
さらに、シナリオにメインをジャン=クロード・カリエールさん、他にもアグニェシュカ・ホランド監督も関わっています。
ロケ地はポーランドのワルシャワ、キャストと言葉はフランス、舞台はロシア。
脚色の段階で舞台劇となっているので、映画はディスカッションを中心に描いていきます。
ロシア革命前夜ということもありそのディスカッションも熱が入り、陰謀策謀入り乱れていきます。
内容はかなり複雑です。
歴史的な背景も、文学的な難しさもありますが、ワイダ監督が常に描いてきたように圧政への抵抗が根底としているため、寒々とした映像の中でも沸々としたものを感じさせる映画ですね。