るい

素晴らしき日曜日のるいのレビュー・感想・評価

素晴らしき日曜日(1947年製作の映画)
3.6
黒澤明監督ってこんな可愛い作品も残してるんだねって思ってみてたら、ただ可愛いだけじゃなかった。第四の壁超えてめっちゃ訴えかけてきた。

あっけらかんと明日に夢見る女と、卑屈になり夢をもてずにいる男の純愛ストーリー。敗戦後の日本を懸命に生き抜く若者の姿を描いた作品。

ある日曜日のデート。お金はないけどないなりに楽しく過ごす二人。でも至る所で、金持ちや、狡賢く生きる奴との比較がある。チクチクと胸を刺す。でも、昌子の明るい前向きな性格に助けられてストーリーは進む。野球のシーンとか良かったな!性格は後ろ向きだけど雄造もいいやつだもんね。

戦後の日本っていうと皆復興に向けて、力強く前向きに生きてたってイメージがあるけど、そりゃ表向きだったりそういった良い波に乗れた人もいるかもしれないけど、この二人みたいな若者や物乞いする坊やのような子たちもたくさんいたんよね。

そう言った人たちにフォーカスを当てられた作品でとてもよかった。
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