似太郎

ビートルズ/イエロー・サブマリンの似太郎のレビュー・感想・評価

4.6
【ビートル・マニアの悲しい性(サガ)】

この作品への思い入れは相当深い。何しろ自分が13歳の時にrock 'n' rollに目覚める契機にもなったアニメだからである。🎸⚡️

またまた懲りずにビートルズの未発表新曲『Now And Then』がサブスクで解禁されて購買意欲をそそられる私。どんなに時代が変わってもジョンとポールによる功績はやはり大きいと感じる。😂タハハ…

いつまで経っても気分は13歳のまま。永遠にロック🎸してたいのだが、ビートルズの魅力はなんと言っても素朴で気飾らない港町リヴァプール出身という「田舎のあんちゃん」的気質にある。

そんな本作は私が13歳の頃に三軒茶屋の某ビデオ屋で借りたアニメ映画。この映画で本格的にビートルズにハマるきっかけとなった。(それ以前に中学の同級生から『ビートルズ1』というベスト盤を貸してもらった時はいまいちピンと来なかったが)

音楽を異様に嫌う化け物集団、ブルーミーニーズに乗っ取られた王国ペパーランドを救うため、英国が誇るスーパースターのビートルズが黄色い潜水艦=イエローサブマリンに乗って深海を旅するサイケデリック感覚の冒険ファンタジー。

シュルレアリスティックな海洋生物が出てきたり、目が眩むほどカラフルなミュージカル・シーンが随所にあって前衛アニメならではのぶっ飛んだ表現が見られる。

割とダラダラしたテンポで進むのだが、何より作画のセンスの良さとビートルズによる曲の素晴らしさで短い尺があっという間。本作はディズニーとは違う、完全に大人向けのアニメなのである。

脚本は『ある愛の詩』の原作者エリック・シーガルによるもの。この辺もまた、昭和(60年代後半)の名残りを感じさせる。🤔

久里洋二や佐々木マキ、岡田史子といったビートルズ世代のアニメーター、漫画家にも多大なる影響を及ぼしたアート・アニメーションの代表作にして傑作。ポップで前衛的で可愛いキャラデザが、CDのジャケ画を見てるみたいで飽きさせない魅力あり。(本秀康にも似てる?)
似太郎

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