実は初めて観ましたシリーズ。
93年のDisneyのストップモーションピクチャー作品。
これ、ハロウィン系の作品だったか。観るの1週間ぐらい遅かった。
あ、でも、クリスマスも絡むからちょうど良いか。
原作はティムバートン。監督もティムバートン、かと思いきや、違う。途中から変わったのかな。
ちょうどこの頃、彼は『バットマンリターンズ』の撮影中で、この作品のストップモーションピクチャーの制作がかなり手間暇かかることから監督はヘンリーへリックにバトンタッチ、みたいな作品。
ティムバートンが携わってるだけあって、造形や世界観がそこそこ不気味。
だから、Disneyは「ちょっと、これ、アレだな」ということで、Disneyアニメーションではなく、別部門のタッチストーンピクチャーズ名義で公開したらしい。
このほっそりした骸骨的な男が象徴的な作品。
ハロウィンタウンのカボチャの王が、クリスマスタウンに迷い込んでクリスマスに憧れる、みたいな話。
不気味な世界の住人が聖なる夜に魅了される。
頭をパカっと開けて脳みそポリポリしながらの“虫のイボとカエルの息のスープ”、ヤバ。ヤバすぎる。
そりゃDisneyもそうなる。
思いのほかティムバートン節がしっかり炸裂してた。確かにDisney名義としてはかなり尖ってるストップモーションアニメ。
不気味でイカれたハロウィンタウンの住人たちにクリスマスのことを「イカれた世界があった」みたいに報告して、プレゼントやら靴下のことをおかしなルール的に説明。
そして、「それだけではないクリスマスには“支配者”がいて、バケモノのような風体でロブスターのように赤く、デカい袋とその名の如く恐ろしい爪をもつ“クロウズ”がいる」と。
ハロウィンの王ジャックがクリスマスの謎を解き明かす、という、なかなかありそうでなかった切り口。
ティムバートンだからこそできるハロウィンならではの不気味さの演出。
あくまでハロウィン側から覗き見るクリスマス、という視点の独特なタッチ。
彼に喜んでもらおうと自ら飛び降りて腕がちぎれても平然として針と糸で自分で縫い合わせて、何事もなかったかのようにニコニコしながら歩き出すとか、“密かに思いを寄せる”描写にしては、パワフル過ぎる。
ハロウィンがクリスマスを不思議がる。
知ってるけど、理解したけど、クリスマスキャロルも歌えるし、ツリーも作れるけど、クリスマスとは何か、を説明できない。
でも、とりあえずすげえから、俺たちの町でもやってみようぜ、クリスマス、と。グヘヘ、と。
ギターの中になんか不気味なおっさんいるし、子供達がハロウィンの不気味なお面を被ってて、それを取ってもたいして変わらない不気味な素顔なのとか、一周して逆に笑う。被る意味ないやんけ。
ブラックなユーモアたっぷりのハロウィンがホワイトなクリスマスを目指す物語。
王道なタッチではないだけに異色の光を放つDisneyのストップモーションアニメーションとして、ある意味Disneyの歴史に確実に爪痕を残した作品。
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TSUTAYA DISCAS運営の映画コミュニティサイト「Discover us」にて同アカウント名でコラムニストをさせて頂くことになりました。
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別視点で色々映画について書いていこうと思います!ご興味ある方は是非お待ちしております!
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