うめ

プルートで朝食をのうめのレビュー・感想・評価

プルートで朝食を(2005年製作の映画)
4.5
頼れるものなんて何もない。

神様?

優しい両親?

愛してくれる恋人?

フフフ。
残念。
それどころか、身体さえ望んだものじゃないの。

私にできるのは
ふわりふわりと宇宙に浮かぶように
ただ身をまかせるだけ。

でも、微笑みだけは絶対に忘れないわ。

だって、いつかはプルートじゃない温かいところで朝食を食べる時が来るかもしれないもの。




こんな作品に会えるから
私は映画を観る事をやめられないんです。

パトリック・キトゥン・ブレイデン。
母親に捨てられ、養子として育つ彼の中身は女の子。
見ていただければ分かりますが…
本当にキュートなんです!
男だってわかっていても、もう可愛くて仕方ない。
制服なんてたまりませんよ。
もちろん、そんな彼を差別したり蔑む人もいます。
でも、笑顔を絶やさない彼を受け入れてくれる人もたくさんいる。
そして、時代はアイルランド紛争真っ只中。
数々の哀しみが押し寄せる。
ここまで演じたキリアン・マーフィーが本当にすごかった。

神父役のリーアム・ニーソン。
「沈黙」でも聖職者でしたが…
戦うだけじゃない。
悩み苦しみ葛藤する表情の深み。

ルース・ネッガの存在も光ってた。


いくらでもヘビーになる作品なのに、不思議と暗さはあまりない。
そこにあるのは、ただポジティブに愛を求める純粋さだ。
輝く一つ一つのセリフ。
翻訳の方、いい仕事してます。
音楽もこれがまた素晴らしくて…

ベストムービーを入れ替えなくちゃ…
もっとたくさんの人に見て欲しい。
本当に最高でした。
うめ

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