さらしな

リプリーのさらしなのレビュー・感想・評価

リプリー(1999年製作の映画)
3.8
愛憎の衝動によって犯罪を犯してしまった主人公リプリーが、嘘を重ね、罪を重ね、しかし愛によって苦しみ、苦渋の決断を下す話です。冷酷無比な男の完全犯罪クライムサスペンスというよりは、愛憎モノな感じがしました。間違いなくクライムサスペンスだけど、個人的には愛憎感情の濃厚さの方が印象的。
また、話の内容は少しややこしいけど、伏線はかなりわかりやすく張って回収してくれているように思いました。
リプリーはイケメンコミュ強気まぐれパリピ放蕩息子のディッキーを好きになってしまうのだが、このディッキーを演じるジュード•ロウがマジで凄い。まぁ客観的に見ればかなりクズいところのある男なのですが、ジュード•ロウの品と愛嬌のある美しい顔面と演技によって、こんな男好きになるしかない、と思わせてくれる。飽きたら捨てる残酷さすら美しい……。リプリーがディッキーから避けられるようになったのって、ディッキーがリプリーに飽きたのも勿論だけど、リプリーが自分のことを性的な目で見ていることに気づいたのも大きな理由じゃないだろうか。
また、ケイト•ブランシェット演じる可愛らしくて美しいお嬢さんも良き。そして何も知らずにリプリーを窮地に立たせたりする。面白いポジションのキャラ。
そしてピーターは本当に良い人。この人はリプリーにとっての天使とか良心の象徴だったんじゃないかな……。
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