主人公の男は、ある日突然記憶を失う。身分証を持たない状態で発見され、同じ症状の患者たち（この映画の世界では、突然記憶を失う病気が蔓延していた）と同様に入院させられ、検査をしつつ家族からの連絡を待つが、一向に迎えがくる様子もない。
そんな中、医師からとある治療プログラムを勧められる。それは、記憶を回復させるのではなく、改めて人生の経験を積んで社会復帰を目指すものらしい。行くあてのない主人公はそのプログラムに参加し、医師から与えられる課題に取り組んでいく。
少し不思議な雰囲気と、静かなユーモアに溢れた良作。主人公がどんな人物なのか明かされる前に記憶を失ってしまうので、彼は一体何者なのか、推測しながら観るのも面白い。
そして、この作品が観終わった後、きっとあなたは林檎が食べたくなる。
