長編のわりには、退屈はしなかったです。なんといっても渡辺謙の、常に太陽に顔を向けているような渋い顔と日本人離れした体格が醸し出す存在感が抜群。高度成長期の24時間戦えますか的商社マンのイメージと思えば、意外にハマってますね。
多くのかたの記憶に残る日航機事故(作品では敢えて架空の事故)の悲惨な状況を知る良い機会でした。日本の独特なサラリーマン社会の一面を見るのにもいいかも。
御巣鷹山編での場面は、ベースとなった実際の航空機事故現場をリアルに再現されているようで、当時の悲惨さを少しでも感じることができました。
映画としてはテレビドラマのようにセリフとか勧善懲悪のメリハリが効き過ぎて、映像から感じるリアリティとうまく溶け込んでいないように感じてしまいました。恩地氏はいい人過ぎて、NAL幹部連中は悪徳代官テイスト。原作もこんなんだったかなー。万人ウケを狙うとこうなっちゃうのかな?
ともあれ悪役としての三浦友和は役者として意外な一面でした。アウトレージ以前からやってたんですね。
同じ題材を扱った『クライマーズ・ハイ』の方が、現場のリアリティと感情を抑えた演技がいい雰囲気を作ってたように感じました。