世界が荒廃し砂漠一帯となったマッドマックス第二弾。これを観ないと『マッドマックス』は語れない!あらゆる作品に影響を及ぼしたクレイジー燃料奪い合い合戦!
「何かわからない理由で戦争が起き…」
という語り手の昔話調で始まる本作。
前作ですべてを失ったメル・ギブソン演じる元警官のマックス。あてもなく愛車のV8インターセプターで旅をします。
そこで遭遇したのがあたり一面を支配する暴走族グループと毒蛇を飼う強盗のジャイロ・キャプテン。
『北斗の拳』が多分に影響を受けたという本作。『マッドマックス』の世界にブルース・リーが現れたらというコンセプトのようですが、本当に世界観は『北斗の拳』そのまんま。
本作に登場する暴走族たちのフォルムや街の人々の装いなど、共通点を探すのは難しくありません。
現代では特に『マッドマックス怒りのデスロード』が有名ですが、やはり本作が下敷きになっていると考えると『マッドマックス2』があってこその続編に熱狂的ファンが生まれたと言ってもよいでしょう。
ヒューマンガス率いる暴走族軍団も個性的で、『北斗の拳』にも似た奴がいるモヒカンのウェズ、そのウェズの後部座席にいつも座るなぜか胸の部分だけ開いた謎レザーコスチュームを着ているゴールデン・ユースらが中心メンバー。
とはいえ、本作の見どころは第一弾から製作費が約10倍に膨れ上がって破壊の限りを尽くすアクションの数々。
増えた製作費の大半は車の改造に使われたと言いますが、それらを豪快に爆発させたり、横転させたりとやりたい放題。CGなしでここまでの迫力ある'80年代の映像には驚愕です。
また撮影もセンスが溢れており、特に俯瞰から撮る映像は確実に劇場のスクリーン向き。岩場からマックス&ジャイロ・キャプテンが暴走族を偵察するシーンは、圧巻のロケーションでした。
ちなみにジャイロ・キャプテンは『北斗の拳』のバットを彷彿とさせます。
ウェズはスペード、ヒューマンガスはなんかホッケーマスク野郎がたくさん出てきますね。
世界観から圧倒的な爆発などのアクションシーン、ドッグフードを食べなければ生き延びられないほどの荒廃した近未来の設定など、すべてにおいて1981年の映画としてはとんでもない作品です。
この作品を知った上で『マッドマックス怒りのデスロード』を観ると、また感じ方が変わるかもしれません。
それにしてもメル・ギブソン、本作でほとんどセリフを発してませんよね…笑
あと、マックスのことをロード・ウォーリアーと称するシーンがありますが、かつてWWEで活躍したプロレスタッグチーム“ロード・ウォーリアーズ”は本作の暴走族の風貌から影響を受けているようですね。
いやー、最高だったー!
※2021年自宅鑑賞6本目