世界の終わりがやってくる時を待ちごがれている
トリアーなのに胸糞が足りないのは主役のキルスティンにとって自分の内面>世界の終わり、他人、でしかなく、下世話な部分が(あまりw)描かれてないからだろう。
反目してるようなキーファーも上司もまあ常識人レベル。あと甥のため最善であろうとしてるので、全トリアー作品のなかで一番観やすい。
日常に適応出来なかった人間が、非日常でイキイキしてくる、宮台の映画評を読んだことがある人間ならまま出てくる彼の大好きなモチーフ、できる人間だったはずの人間がいざというとき役に立たない。そういう世界観。なのでトリアー映画っぽくない顔でメジャー感のあるキーファーが出てるのは正解。
彼女が広告業界にいるのがポイント、日常を取り繕っている、嘘、欺瞞、偽善の世界にいるということ。
鬱によって結婚式を台無しにした、というより深層心理ではそもそも結婚したくなかったのだろう。
運命の女ソング、エルヴィスコステロのsheのオケアレンジなどなかなか皮肉が効いてて良い。
ニンフォマニアックではバルテュスの引用だが今回はオフィーリアなどの引用も素晴らしい。