ヘッドチーズ

マタンゴのヘッドチーズのレビュー・感想・評価

マタンゴ(1963年製作の映画)
4.8
見直す毎に好きになる映画、魅了され中毒になるキノコ映画、それがマタンゴ!


OPとEDにエキゾチックな東京の昔の夜景が写る、綺麗なんだけどどこか毒々しくも見えた。

その夜景からすぐ近くのある精神病院の一室で、ある男性が1人医者や警察の質問を受けていた。
僕はキ〇ガイじゃない!

彼は5人の仲間(全員リア充)とヨット旅の途中で難破し、無人島に流れついたがそこで地獄を見たのだ。
1人は死に、他の4人は生きてるが島に残ったと話を始めた。

何故4人は島に残ったか、彼らは(鳥や魚もいない不気味な島)どう生活したのか?という話。

特撮の巨匠・円谷英二らが手掛けたサバイバルサスペンス。
東宝特撮シリーズの名作だと思う。

無人島という閉鎖空間で広げられる心理ドラマは見応えあり。やっぱ皆追い詰められると自分のことしか考えられないんだね。
ナイトオブザリビングデッド(68年)の脚本にも大きな影響与えてる?

この島だけに生えてるマタンゴ(キノコ)を口にしたら凄く美味く、次第にキノコ人間になってしまう設定が面白い。
現実でいう麻薬に例えられている。
実際に毒キノコも美味しいらしいぞ?
一度口にしたら幻覚や幻聴、快楽の症状に襲われ、やがて依存してしまうのだ!
最終的には全身キノコの怪物となり島を徘徊する、男女によって変身の仕方が違うのが面白い。(キノコ人間のデザインは水爆などのキノコ雲がモチーフになってるから気持ち悪いが素晴らしいデザイン)

この映画は反覚醒剤映画だと分かる。それに限らず依存症全体に当てはまる。

特撮好きな人よりもドロドロした人間ドラマが好きな人にもオススメ。
名言も数多く登場。

主人公がラストに語る台詞は深くて素晴らしかった。
ヘッドチーズ

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