オーウェン

アメリカ、家族のいる風景のオーウェンのレビュー・感想・評価

アメリカ、家族のいる風景(2005年製作の映画)
3.7
西部劇映画の主演であるハワード・スペンス。
その彼がいきなり撮影現場から逃亡し、行方をくらますところから始まるロードムービー。

ハワードの着いた先は故郷の町。ここには30年来会っていなかった母親が。
その母親から息子の存在を聞かされ当てもなく町を歩き回る。

この映画は存在を知らない息子への赦しだとか、母親への後悔の念などを深く追求したりはしない。
そういうお涙頂戴的な展開はなしで、敢えてヴェンダースはさらっと描いている。

時間の概念に囚われる事ない町での情景と、拘束される撮影現場の対比。
詳しく語られないそれぞれの人間関係。

物足りない部分はあるが、この親父は不器用なのだろう。
捨てられたソファで物思いにふける場面。いくら悩んでも蹴りのつけ方がこの男には分からないということだ。
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