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アメリカ、家族のいる風景のtulpenのレビュー・感想・評価

アメリカ、家族のいる風景(2005年製作の映画)
5.0

原案/脚本はサム・シェパード。
人生も終盤にさしかかった一人の男が、初めて“家族”と向き合おうとするお話。

サム・シェパードとジェシカ・ラングの絡みに素晴らしいワンシーンがありました。
男と女には周りの風景も、人も、なにもかもが消え去って ”あなたしか見えない”っていう一瞬が絶対にある。
伝えたい言葉を心の奥から吐き出すようにして
言わなくてはいけない、いま、この瞬間に、ここで!! っていう時が・・・。
そして、その一瞬をまだ若いサラ・ポーリーがダメ押しのように演じたとき涙腺はぶっ壊れました。

ヴェンダースはこの映画を最後に故国ドイツへと戻ったんだそう。
「長年暮らしたアメリカと悪い形で訣別したくない。出来るだけ美しいアメリカを映画に収めたつもりだ…」
その言葉通り、美しいアメリカの原風景を観ました。 ため息。


これを書いたときは
まだサム・シェパードは生きていたんだなぁと思ったら泣けてきた。
寂しいなぁ、本当に寂しいよ…。



静岡シネギャラリーにて。
2006.6/21 (50) 通算902本
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