マルカマーク

質屋のマルカマークのレビュー・感想・評価

質屋(1964年製作の映画)
3.5
主人公ソルは、救いがないスクルージみたいだった。

ソルは周りの人からナザーマンさん、ナザーマンさんと名を呼ばれ、気に掛けてもらっている。
自分なら、名を呼ばれるのはとても嬉しいから呼んでくれた人の話に耳を傾けるけれど、ソルほどの、「本当の孤独、恐怖」を見てしまうと、氷のような、岩のようになってしまった心はもうどうしようもないのかも。
一度、社会福祉家バーチフィールドに心を開きかけたのに結局色々諦めたとき、観ていたこちらも諦めた。
自分も、バーチフィールド程度かそれ以下の孤独しか知らないし。

闇のスポンサー、ロドリゲスから「死にたくないと思ったときに、お前は死ぬ」と言われたソル。
そう思うときは来るのかな。

幼い考えしか出来なくて、多分この作品も半分もうまく理解できていない気がする。
でも、クインシー・ジョーンズの劇中音楽は、重い暗い話とモノクロの映像に、救いのような軽快さをもたらしていてよかった。