れー

グリーンマイルのれーのネタバレレビュー・内容・結末

グリーンマイル(1999年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

名作と知ってながらも、長年しっかり観たことは無く…やっと観た。
人間のあらゆる面を描いている。愛情深さと残忍さ、綺麗な部分と汚い部分。希望を持てるのでは…と思う部分とどうしようもなく遣る瀬無い部分…

死刑囚と看守たちの不思議な心の交流を描いてる。

作中では極悪人ビリー以外の囚人の罪は描かれていない。
ジングルスを可愛がるデルの様子を見ていると、彼がそのような大罪を犯したようには見えないが、犯した罪に対する後悔は彼自身が1番感じていたのかもしれない。
デルとジングルス、看守たちとの交流をみていると人間の底にある綺麗な部分を信じたくなる。
しかしパーシーがデルにした残虐な仕打ちや死刑囚達の刑の執行などをみているとどうしようもない絶望感も同時に感じる。

この世は、綺麗なことばかりでなく残酷な悪にも溢れている。
疲れたんだ、と言って涙したコーフィの姿に私たち人間の罪を嘆き悲しむ神の姿をも重ねて観てしまう。

でも、この世は絶望だけではない。
コーフィが救った命、そして彼がジングルスやポールに与えた命には意味がある。
ポールは、これは自らの罪の償いだと言った。果たして本当に償いだけだろうか。
コーフィが最後を迎えるにあたり、牧師は必要ないと言った。その役をポールに果たして欲しいと。
彼とジングルスが今後何年生きるのかは誰にもわからない。でも、グリーンマイルで人間の希望と絶望をどちらも見てきた彼だからこそ、コーフィはポールにその役を託したのではないかと感じた。

「人は例外なく、必ず死ぬ。でも神様、私にはグリーン・マイルがあまりに長く感じます。」
れー

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