映画初心者

MEMORIESの映画初心者のネタバレレビュー・内容・結末

MEMORIES(1995年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

8年ぶりぐらいに鑑賞。あまりの映像の完成度の高さに圧巻されてしまう、熱のある作品。全3話から構成されるオムニバス作品でどれもクオリティが高く、映像の方向性が異なる。正直、作品としてはAKIRAより好きです。

1話「彼女の想いで」
監督:森本晃司 脚本設定:今敏 キャラデ作監:井上俊之 音楽:菅野よう子の豪華スタッフ。また美術には山本二三や、原画には沖浦など他のセクションも豪華。
映像として写実的で良い。カメラワークが気持ちいい上に、最高な芝居作画が繰り出される。何気ないシーンも凄いクオリティで、全カットアニメーションが凄い作品。レイアウトもとても良く、今は亡き今敏さんの力が感じられる。
演出として最高。一気に色味が増え、音楽が鳴り出すシーンは鳥肌もの。
お話は、SFホラー。素直に面白い。
菅野よう子氏は、昨年の天皇の奉祝曲を担当されたりとレジェンド的存在ですが、この作品の仕事っぷりも極上でたまらない。

2話「最臭兵器」
トゥルルル~山梨~という開始があまりに1話のテンションと違いすぎて笑ってしまう今作。内容的にコメディ。老人Zの雰囲気に近い。
脚本:大友克洋 監督:岡村天斎 メカ作監:仲盛文 美監:串田達也 こちらも凄いスタッフがそろった作品。
映像として1話と比べて写実性は1話と比べて低く、コミック調。(通常の作品と比べたら写実性は高い)。後半にいくにつれて躍動的なシーンが増えていく。映像の出来がやたらといいのでコメディ性が増している気がしました。ヘルメット内部が見えなくなるシーンが地味に良い。
コメディらしい演出。バタバタ人が倒れる描写は、コメディ演出でアホらしく笑える。
お話としては普通。可もなく不可もなく。おバカ脚本を全力の映像で魅せることで、余計におバカ具合が高まるので最高。

3話「大砲の街」
3作品の中で抽象度が最も高いキャラクター。フランスアニメーションかのような作品。1話、2話と比べて若干インパクトはないが、ほぼ全編1カット風という特徴がある。監督・脚本・美術:大友克洋。
もっさりとしたカメラワークが多く、退屈さは若干ある。ただ、キャラと背景がマッチしていてカラー漫画が動いているように見える映像が良い。アニメーションもうまい箇所がそれなりにあり満足。

1話>2話>3話の順で好み。
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