スギノイチ

座頭市御用旅のスギノイチのレビュー・感想・評価

座頭市御用旅(1972年製作の映画)
4.0
今回、敵ボスとして三國連太郎が再登場。
しかもかなり分かり易く悪い奴である。
こいつにとっつかまった市がリンチされるわけだが、これがかなり凄惨。

四方から首を縄で縛り、痣だらけになるまで殴る蹴るの殴打地獄。
地べたを這わせ、女の股を潜らせ、犬猫の真似を強いる。
水を懇願すると、地面に溢した物を舐めさせる。
等、かなり痛々しいシーンになっている。

その辺の恨みがあったのか、終盤、体に火が燃え移っても三國連太郎を確実に殺そうとにじり寄る市が迫真だ。
(『牢破り』の時といい、三國連太郎にはネチネチとホラー殺人鬼的責め方をするのが決まりなのか)
また、ラストの高橋悦史との対決も凄い。
無音、逆光の中でのストップモーションチャンバラ、鮮烈で濃い色合いの画面に村井邦彦の音楽(すぐ判る)。
バババっと斬り合い、決着と共に異様に力強い「完」が出て、ブッた斬るかの様に映画は終わる。
このシーンは勝新の演出による物で、ここだけ物凄くアバンギャルド。
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