ハリ

L.A.コンフィデンシャルのハリのネタバレレビュー・内容・結末

L.A.コンフィデンシャル(1997年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

3人の刑事が一つの殺人事件を解決するために腐敗したロサンゼルス内を駆け廻る。

暴力的で血の気が多いバド、警察内の規律と清廉潔白を重んじるエド、パパラッチと繋がり小銭稼ぎもしている少し小悪党気味のジャック。それぞれ個性豊かで性格的に交わる事の無い3人。一つの凄惨な殺人事件をきっかけに警察内の闇に迫っていく。

途中で真相に近づいたジャックが殺害されるシーンは衝撃的。黒幕であるボスのダドリーに言い残した"ロロ・トマシ"。この言葉でエドが黒幕に気付くシーンは鳥肌が立った。

ロサンゼルスを掌握するためにマフィアを巻き込み、警察内も巻き込もうとするダドリーは邪魔になる人間や利用し終わった人間を次々殺害していく。黒幕に迫っていく緊迫感が徐々に高まって最後は豪快なガンアクション。現場での殺害を忌避していたエドが仲間達の復讐と腐敗した警察組織を正す目的でダドリーを殺害して終わる。

だが、この一連の事件は内部で揉み消され表にならずにエドは殊勲賞を貰い出世することになる。
腐敗した組織を正し、市民に清廉潔白な安全を届ける為に出世を望んだエドだが最後は同じ穴の狢に落ちてしまう姿がとても印象深く残った。

「犯人を真後ろから撃ち殺せないと現場は務まらない」と言われたダドリーを最後は真後ろから撃ち殺したラストは皮肉を感じた。

エドとジャックが共闘する時に交わした警察官になった目的である"ロロ・トマシ"という架空の人物がキーポイントとなり物語は一気に収束に向かう。様々な伏線やフリの点と点が線となり一本道になっていく過程がとても気持ちよく満足感を得られる作品であった。
個人的評価:名作
ハリ

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