Bobsan

恐怖のメロディのBobsanのレビュー・感想・評価

恐怖のメロディ(1971年製作の映画)
5.0
クリント・イーストウッドの初監督作品ですね。マカロニ・ウエスタンや「ダーティーハリー」で男臭いアクション映画ばかり作って来た彼がどんなアクション映画を監督するのかと思ったら意外にも女ストーカーに襲われるサイコ・スリラーでした。
こういう傾向は俳優の異業種監督にはありがちで、同じくアクション系のメル・ギブソンの初監督作品が感動ヒューマンドラマの「顔のない天使」だったり、ビートたけしが監督してどんなお笑い映画になるのかと思いきや「その男、凶暴につき」というお笑い一切なし(怖すぎるブラックユーモアはあるものの)、芸人ビートたけしとは180度真逆のおそろしい刑事ドラマだったりします。
本作も、これまで悪党どもを暴力で成敗してきたイーストウッドがその暴力を封印して、反対に暴力に苦しめられる立場になりました。この意外性が見事な作品ですね。
イーストウッドをストーキングする女の名前がいいですね。イブリン。よくある名前ですが、本作の場合、イスラム教に於ける悪魔の王"イブリース"であり、邪悪という意味のイーブルを想起させます。
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