アクションや派手な演出が前面に出ている感じ。スリリングでエキサイティングな“シャーロック・ホームズ”でした。巧みなトリックや謎解きは雰囲気程度に留まっているし、ロバート・ダウニー・Jr.の探偵ホームズはトニー・スターク色強めだけど、慣れたら大丈夫でした。
19世紀のロンドンもリアルに再現されていて、相棒ワトソンくんを演じたジュード・ロウが、この緻密に作り込まれた街の雰囲気に馴染んでいました。曇り空にレンガ造りの建物、馬車が走る石畳の大通り、造船所、建設途中の跳ね橋と吊り橋などなど目を楽しませてくれて観光してみたくなります……。加えて、民族音楽のような劇伴がスピード感溢れる映像ととてもマッチしていて独特な世界観を見事に演出していたと思います。
それに、ベイカーストリート221Bの下宿は出てきますし、ハドソン夫人もちゃんと登場して“シャーロック・ホームズ”らしくてうれしい。
そして、あの宿敵ジェームズ・モリアーティ…。今回は匂わせる程度でしたね。それだけに次作『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』（'11）に期待が高まります。
