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フローズン・リバーのshinのレビュー・感想・評価

フローズン・リバー(2008年製作の映画)
4.4
寂しげな景色と寂しげな人々の流れ。
貧困を感じさせる風景で始まる映画。

そこでとても裕福とは言えないギリギリの生活を続ける母親と2人の息子の3人家族。終始寒い風景で静かな社会派クライム映画。
貧しくてもいつも笑顔の5歳の息子だけが家族2人にとって唯一の希望だっただろうし、それを慕う兄とのシーンが唯一暖かくなれるシーンだった。

母親のやってることは犯罪。でも生きる為の犯罪。
観てるこっちも景色のように気持ちが寒くなるような映画だけど最後は暖かい気持ちなれた。

愛する家族のために犯罪を運ぶ。
クリント・イーストウッドの『運び屋』を思い出した。

犯罪で出会い犯罪で絆が深まる。
最後は自己犠牲の譲り合いに心打たれた。
川の氷が溶ける頃には暖かく皆が新居に迎え入れてくれる姿を想像しながらエンドロールを観終えた。


居留地について無知だったので調べたけど居留地の実情とアメリカの複雑な警察制度を知り勉強になった。
米国には今現在でも先住民(ネイティブアメリカン)の居留地が100カ所以上あり最底辺の生活をしている。
事前に昔の白人とインディアンの関係性を知っていたらもっと感慨深い映画として観れたと思った。
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