ウニ

空海のウニのネタバレレビュー・内容・結末

空海(1984年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

空海さんが凄メンすぎて、リスペクトしっぱなしの三時間。

前々から空海さんはめちゃ頭が良かったと風の噂で聞いておりましたが、語学や経典習得の早さ!偏差値95ぐらいありそう。

そして、現場主義で仕事できる男。密教の経典は文字だけ読んでも理解できない、経験や民や国土の理解が必要とのご発言、なるほどでした。
他の僧侶が唐で何十年も写経して帰国するだけで力尽きる生涯の中、そこサッサと何十倍速で終わらせて、行動するところに人生時間を使っててアントレプレナーの鏡。イノベーター(笑)。

さらに、ビジョンが、国やお上のためではなく、宇宙規模なのが、ロマン!ビョナリー!意識高い人が夢想するあれこれを、やり抜く能力・体力・メンタルをもってたらこうなったの話で爽快でした。

あと、奈良時代から平安時代の平城京から平安京への遷都に、帝と僧侶たちがどう絡んでいたのか。国をまとめるために仏教が一役を担い、僧侶が力を持ってくると新しい経典を唐から取り入れ、力のある僧侶を刷新していくとか、なるほどーでした。あと唐の都の栄え方とか、インドから唐に僧侶きてたのかとか、梵字とか、いろいろへーでした。

当時の特撮技術による、富士山噴火、遣唐使船難破、洪水など、アナログ映像も最高。最澄役の加藤剛さんの、ほとばしる清廉さも、欣也さんのネイチャーぷりと対比されていて萌ました。

後世に残る四国巡礼システムを作った空海さん。マーケティング力高っ!野に下り民を疫病や洪水から救っていった伝説、災害で民が命の危険を感じたときの性の覚醒(後年何度もフラッシュバック、最後真行寺君枝さんとの伏線回収はっ!)、修行時代の空海さんの中二的葛藤を含め、エピソード満載で濃い作品。シナリオ濃度と編集が凄い。映画の醍醐味!
ウニ

ウニ